“エシカル”な職業、猟師が若者のあこがれに

エシカルという言葉をご存じでしょうか?エシカル(ethical)とは、本来は「倫理的」「道徳上の」という意味。近年では、環境保全や持続可能性に配慮した商品を進んで購入することを「エシカル消費」と呼び、欧米を中心に若者たちの注目を集めています。

スペックや価格といった実利で商品を決めるのではなく、より環境負荷が少ないブランドをクールと感じる新しい価値観といえるでしょう。

未来社会においては、エシカルな価値観は、単なる消費トレンドを超えて、ライフスタイルそのものに昇華しているかもしれません。

よく考えてみると、石油や天然ガスで発電された電気を使い、インターネットに接続したり、工場で生産されたモノをお金で買ったり、都市の暮らし自体が、そもそも“エシカル”ではありません。

“エシカル”な心が高まった若者にとって、都市の暮らしで、名声を得ることや、経済的に成功することは必ずしも価値あることではなくなると考えられます。むしろ都市の競争社会からいち早く離れて、自然の中で自給自足に近い暮らしをすること、いわば“エシカルライフ”にあこがれを持つのではないでしょうか。

森で枯れ木を集めてたき火を起こし、食材を調理して食べるといった野遊びは、今「ブッシュクラフト」と呼ばれちょっとしたブームになっています。また、女性が自ら動物を狩り、新鮮なジビエの美味しさに親しむ「狩りガール」といった現象も生まれています。こういった若者のアウトドア志向は“エシカルライフ”の萌芽といえるでしょう。

今後、日本社会は、地方人口の減少により、自然の浸食が進み、鹿や猪など野生動物が増えるといわれています。ネガティブな捉えられ方をする話ですが、見方を変えると、野山で調達できる食材が絶賛増殖中ともいえます。“エシカルライフ”にあこがれる人にとっては、実行に移す大きなチャンスです。

若者の“エシカル”心を後押し、“エシカルライフ”を実践するための商品・サービス、制度の整備を行えば、地方の人口減少や鳥獣被害を軽減するひとつの手立てになるかもしれません。

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