「情報の海」の中で、信頼してもらうことが購買の最大の後押しになる

1994年のインターネットの商用利用開始から25年が経過しました。すでにインターネットが存在する中で生まれてきた若者が社会に出る時代になってきています。そうした最近の若い世代がインターネット上で取る興味深い行動として、「検索」に対してのスタンスが、これまでと異なってきていることがあげられます。 

例えば2000年代初頭、インターネットの常時接続開始時期を同時代として過ごした人々にとって、Googleは「インターネット上の神」とも言える存在でした。その結果、敬意を込めて「Google先生」とか、一般動詞的に「ぐぐる」と言われたりしてきました。 しかし、いまの10代、20代の若者たちは、必ずしも検索結果だけに依存していません。 

さらに聞いていくと、どうやら「検索を信用していない」のです。正確に言うと「購買行動の際に、とりあえず検索するが、そこで得た情報を必ずしも信用しておらず、購買の決定的な後押しにはなっていない」のです。彼らが求めている購買の決定的な後押しになるのは、公式サイトの情報やPR記事などの与えられる情報では無く、より生のユーザの声であったり、セレブがどのように使っているかというリアルなイメージだったりします。これらはSNSや動画アプリにもあるので、彼らはそれらから得られる情報を比較しながら情報の確からしさを上げて、実際に購入するかどうかを検討しているのです。 

もちろん彼らが全く検索サービスを使っていないわけではありません。しかしながら、インターネット上に流通する情報量は指数関数的に増加し、まさに「情報の海」となってきている中、彼らなりの「正しい情報」を求めるための賢い方法として、様々なサービスを組み合わせながら、情報の海を泳いでいるといえます。 

今後、我々が接していく情報の量や密度はますます増加していくことは確実です。その中にはフェイクもあれば、古い情報なども混在することもあります。いかに正しい情報を、確からしさを高めて生活者に伝えていくことができるか、伝える側の工夫が一層問われることになるでしょう。 

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