誰もがお姫様ライフな究極の「Personalized Life」

近年、「いかに自分に合っているか」という軸で商品やサービスを求める消費者が増えてきています。人気ランキングで上位のものは、気にはなるけどしっくりこない・・・それより自分には何が合うのかが知りたい。まさにNo.1よりOnly1なものに価値を見出すようになってきています。 

 インターネットやAIの隆盛は、あらゆるモノ・コトに「パーソナライズ」の流れを作り出しました。かつてはマスメディアが不特定多数のユーザーに対し、一方的に発信していた画一的な情報も、今は特定の対象者に適切なタイミングでパーソナライズされたメッセージを届けることが当たり前となり、ECでは自分の嗜好や関心に合ったものがオススメされるのが一般的になりました。 

 2017年末には、あるアパレル企業が、スマホで体型サイズを瞬時に計測し、自分の体にフィットした洋服を買えるというコンセプトの採寸ボディスーツを発売し話題を呼びました。その他にも、すでに百貨店などの一部の店で3Dスキャナーを利用したオーダーシューズの提供が開始していたり、某大手スポーツメーカーは、3Dプリンターによりカスタマイズしたミッドソールを店舗内で製造するサービスをスタートさせています。 

また、ビューティにおいても、個々のユーザーの肌質に合わせたシミ隠しシート印刷機器が開発されたり、その日その人に最適な基礎化粧品を調合してくれるスキンケア機器などが発売されています。最近ではSleep Techの本格化により、入眠時から熟睡中、起床時と睡眠状態を検知し、自動で変形して快適な睡眠を保つ寝具も登場しました。 

 こうしたテクノロジーの進化の先を想像してみましょう。将来的には、朝起きる時間になると出来立てのコーヒーの香りと共にカーテンが開き、ベッドが変形して起き上がらせてくれ、その日の体調にあった朝食が準備され、天候や予定に合ったコーディネイトの服がリクエストされ、自動運転の車で出かける。かつては時間も体調も人間自身が管理していた時代があったんだ、なんて語られる日が訪れるかもしれません。そんな「誰もがお姫様ライフ」な究極のPersonalized Life時代が到来したとき、「ローマの休日」のアン王女が自由と休日を生き生きと満喫したように、人は今度は何不自由ない暮らしに不自由を感じ、「無駄や不便なモノ・コト」に、魅力や人間らしさを追求するようになるのかもしれません。 

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