「日本的なサステナビリティーの在り方」を世界におすそ分け

2030年に向け国家、企業、民間参画サステナブルな社会を目指す国連主導の開発目標SDGsSustainable Development Goals)。日本でもさまざまな団体が主体となり、参画が進んでいます。ここでは2030年以降の地球と、日本のサステナビリティーの未来を展望してみたいと思います。

2030年、SDGsはある程度目標を達成していると考えられますが、温暖化生態系の破壊、貧困や格差、AIなどのテクノロジー浸透による社会変化への対応など、環境・社会課題は依然深刻と予測されます。企業は今以上の対応を要請され、活躍の場は拡大しているでしょう。

 そして、環境・社会課題への問題意識が世界に浸透し、各地で自分ゴトに。同時に中国やインドなど非欧米勢力のイニシアチブが増大する中、課題への対応は欧米が基準の一律ものではなくなっていくと考えられます。中国型・インド型・中東型など地域の経済社会、文化に対応したローカライズ化が進んでいくのではないでしょうか。 

現時点日本は人権・ジェンダー・市民社会…など課題は多いです。しかし、2030年には、日本においても独自の精神風土状況や文化に沿った、欧米と異なる「日本的な環境社会倫理と実践」が培われ、それが個人や企業、社会を動かす力になっていくと推測されます。

 例えば、地球環境保全の領域ではCO2排出権取引のような「欧米型数値・法的ルールによる統制」よりも、「里山的自然との心情的な一体感」が共感や協力を集めるかもしれません。

 人権領域では欧米の普遍的な人権思想と、日本的な「和をもって貴し」の伝統・美意識が融合した倫理がつくり出される可能性もあります。また、欧米の「サーキュラー・エコノミー」のシステム的アプローチに「おすそ分け・三方良し」などの精神文化が混交するなど、欧米の合理・科学的な環境対処の技法(洋才)と日本的生活文化(和魂)が融合した方法が生まれていくのではないでしょうか。

  現時点の日本の若者を見ても、環境・社会課題に欧米的に「意識高く」理念を掲げるより、「さりげなく、楽しい」社会動員の形を模索するような、「日本的」な編集が感じられるのです。 

日本は古来、外国の先進的な思想や方法を貪欲に吸収し、かつそれらを全面的に日本様式に編集・変容させてきた国です。禅仏教は茶道という洗練された生活文化の母体となり、稲作漢方、近年では自動車産業やコンビニエンスストアに至るまで、日本は海外の方法を全面的に受容すると思いきや、実は換骨奪胎し日本様式にバージョンアップさせわが物にしてきました。その上で世界品質の商品・文化として輸出・発信し、世界に貢献してきた実績があります。 

 1000年以上にわたるこの日本文化のに沿って、2020年の今、日本は国全体で欧米のSDGsなどの環境・社会倫理を吸収し、換骨奪胎して日本オリジナルのサステナブルな環境社会倫理を探求し、つくり出す過程に入っているはずです

 

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