未来のビジネスパーソンは"スキルカードコレクター"化する

未来はスキルカードを持つことが一般的に?

カードゲームの世界では、相手を攻撃したり自分の体力を回復させたりすることができる「スキルカード」というアイテムがあります。

こうしたゲームでの使われ方と同じように、ビジネス領域でも他人と差別化できる「スキル」を持つことが、より重要性を増してきています。そして、その「スキル」をあたかも「カード」のごとく相手にアピールすることで、プロジェクトを成功に導いたり、より高みを目指し転職するなど、労働市場における自分の価値を高めていく社会人が未来ではより一般的になってくるでしょう。例えば、「統計検定1級」カード、「データ分サイエンティスト検定」カード、「データビジュアライゼーションスキル」カードを駆使してプレゼンに勝つ!といったようなビジネススタイルです。

こうしたいわば「スキルカード・ワーカー」とも言えるビジネスパーソンが、自分の武器になるスキルをコレクションのように集めて磨きつつ、一企業にとどまることなく、軽やかに転職や転業を繰り返す未来の働き手が、2030年には推計で1,800万人程度存在すると予想しています(未来事業創研推計)。

 

ジョブ型の働き方にもフィットする「スキルカード」

コロナ禍によって普及したリモートワークの中で、「プロ化された働き方」が進んでいます。通常、企業は上意下達的な指示系統を基盤に維持運営されており、上司や同僚からの指示や依頼で働いていました。しかし、コロナ禍で否応なくリモートワーク環境が導入された企業では、上司の指示を待つのではなく、自分自身が明確な業務遂行意識をもち、プロジェクトの課題やニーズを「自律的に考えて行動する」ことがより一層求められるようになってきています。

リモートワークの浸透により、とりわけ、ホワイトカラー間でのチーム連携やナレッジシェアなどがしづらい環境になりました(仕事を教えて学んでいく徒弟的システム基盤の揺らぎとも言えます)。経験者の仕事の進め方を見よう見まねで盗むことができなくなった働き手が増えることで、誰がどのようなスキルを持っているのか、分かりづらい環境と言い換えることもできます。その結果、真似て学ぶ徒弟的システムから、自分で自己を高める能力開発の必要性が高まってきているのです。そうしたトレンドは社会人だけでなく、社会人になる手前の学生にも影響を与えるはずで、有利に就活を進めたり採用された後もキャリアアップをしていくためにスキルを磨いておこうと考える人が増えていくでしょう。メンバーシップ型からジョブ型に雇用制度がシフトしつつある中、「スキルカード」が重要になることは間違いありません。

では、誰がどの道のプロであるかを証明するスキルカードが明確化されてくると、働き手にどのような意識や行動の変容が起きるでしょうか。誰の目にも明らかなスキルを持つ人に仕事や人が自然と集まり、スキルカードをあまり持たない人には仕事が舞い込んでこないという現象が生じてくるのではないでしょうか。未来の働き方にあって良かった「スキルカード」。あなたも「スキルカードコレクター」になりませんか?

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