“マルチパフォー眠(みん)”で、寝ている時間も生産性を上げる!

現代は、なにかと効率が求められていて、動画も倍速再生、ヒットソングもサビだけ消費し、何をやるにも“ながらスマホ”が当たり前で、時短時短のご時世です。そんな中、最後に残された最も手つかずの時間資源は、「睡眠時間」に行き着くでしょう。寝ながら考えるとか、寝ながらにして食べているとか、寝たまま運動できるとか。睡眠中に、本来なら起きている時にかたづけるものごとをこなせることになったら、革命的に効率が上がる?…かもしれません。

SF映画やアニメでは、人が液体に満たされた透明なカプセルに全身浸かって、急速に回復したり傷を治したりする描写がありますね。なぜ液体に触れてさえいれば治るのか、なぜときどき裸だったりするのか…つっこみどころを挙げればキリがないけれど、「休養タイムが今までにない効果をもたらす」点では、手がかりになります。

ここで、想像してみましょう。どの家庭も寝室に常備されているのは普通のベッドではなく、未来の医療用ベッド。

まさに、人のためのメンテナンスドックと呼べる寝台。快眠をもたらし、就寝中のバイタルデータをモニターするのは当たり前、ベッドが身体と接続し、眠っている間に血液を活性化してくれる。血中に不健康な物質があれば、それを解消する成分を流し込んでくれる…現在、血液浄化療法(アフェレシス)という研究も進んでいるそうです(*1)。他にも、睡眠中に細胞を取得して、再生医療技術でもしもの移植や交換用の器官を少しずつ作ってくれる。専用のボディスーツを着て寝れば、電気刺激で血行を改善してくれたり、寝る前のインプットに応じて特定の筋肉を発達させ、ゴルフクラブを素振りするなど指定した動きを体に覚えこませてくれる。

健康面だけではありません。「人間全身洗濯機」という、全自動で体を洗ってくれる機械のコンセプトモデルが2025年の大阪・関西万博に出展が噂されていますが(*2)、そんな機能で、お風呂に入らずに寝てしまったって起きた時には全身が清潔になっている。さらに、寝ている間に髪をカットしてくれることまで?…だいぶ時間を節約できますね。マルチタスクをこなせてしまう睡眠は、「マルチパフォー眠(みん)」とでも呼べましょう。

勉強も寝ている間に片づくなら楽ちんですね。しかし睡眠学習は、「知らないことを眠っている間に覚える」のはさすがにできないらしくて、「起床時に記憶したことを眠っている間に反復して定着する」のに向いているそうです。記憶は時間とともに薄れていくけれど、一定時間経過した後の方がよく再生される「レミニセンス現象」の研究でも、睡眠が重視されています(*3)。たとえば、下読みをしたプレゼンテーション原稿をマシンに放り込んでおくと眠っている間に合成音声で聞かせてくれて、翌朝にはペラペラしゃべれる。将来、夢の代わりに映画を見たような脳内体験をできるようになれば、映画を見るひまがない人が、寝ている間に年間50本は映画を見た人になれるかもです。

昨今のスリープテックでは、「短時間でもすっきり眠れる。だから長時間働いても大丈夫」という方向にテクノロジーが進んでいるきらいがあります。でも、睡眠中にタスクが片づくから起きている間はやることが減る→より短時間で仕事が終わり、大人でも1日10時間睡眠が普通になる→長く寝るほど生産性が上がる…といった好循環が生まれた方が、ひょっとして健全なのではないでしょうか。

*1 https://www.apheresis-jp.org/110755.html

*2 https://www.sankei.com/article/20220324-LDNZRUNOVNMYJIHTFXOAKIA5PI/

*3 https://celestia358.luxe/882

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