“ソーシャルノイズキャンセラー” が推し活を支援する
推し活(オシ活)は、自分が熱烈に支持する人や団体(推し)に対する応援活動で、音楽グループ、アイドル、キャラクター、スポーツチーム等あらゆるエンタメ領域で活況を呈しています。推し活には、公演や試合への参加、商品の購入などはもちろん、ソーシャルメディアでの応援メッセージも欠かせません。
推し活自体は健全な応援活動ですが、ソーシャルメディアでは推しを極端に防衛し、他の人々や団体を誹謗中傷する行為が発生することがあります。昨今では「恋愛リアリティショー」の出演者が激しい誹謗中傷で自殺に至るという悲劇が生じ、社会問題になりました。
ソーシャルメディアで極端な意見を発信、周りからの注目を集め影響力を示すために他人を攻撃する人がいる。またそのような発信を通じて、重大な心理的ストレスを受ける危険があることはしっかりと認識するべきでしょう。
一部のファンによる個人的な攻撃で、楽しいはずの推し活が、対立や煽りの行為となるのは悲しいことです。未来の推し活では、純粋に推し活に専念するために「ソーシャルノイズキャンセラー」が実装されているかもしれません。
「ソーシャルノイズキャンセラー」は、ソーシャルメディアの中の極論や誹謗中傷を目的とし、心理的なストレスを与える発言を“ノイズ”として検出して遮断するプログラムです。推しコミュニティ内でネガティブな意見を見ないで済む、ネガティブな発信をする側も反応による承認欲求を満たすことができず発言が減る効果も期待できます。
「ソーシャルノイズキャンセラー」を使うことで、心理的な安全性が保障された上で、推しと直接向き合い応援することが可能なのです。
もちろん、ネガティブな発言が自分にとって有用なケースもあるでしょう。そんな時は推し活以外では「ソーシャルノイズキャンセラー」をオフにする。あるいは、心理的なストレスに脆弱な子供の使用を義務付けるなど、運用法はいろいろ考えられます。
考えてみると「推し」のような自分の大好きなモノコトに取り組んでいくにあたり、人の意見や感想はあまり重要ではありません。自分が本当に何をしたいのか?については、自分自身と向き合い、自分で答えを見つけるほかありません。
ソーシャルメディアに限らず、自分に向き合うためにあえて外部の情報を遮断したいというニーズは存外広がっていくのではないでしょうか。