"アバター婚"で生まれる新しい社会の絆

米国の2020年ゲーミング市場は569億ドル、2019年から27%の増加。2024年にはその規模は1980億ドルまでに拡大すると予測されています。オンラインゲームは一部のマニアのものではなく、大勢の人が楽しむ巨大な産業になりつつあるのです。(※1)

多くの人が集まるオンラインゲーム空間は、単にゲームプレイのためだけに使われているのではありません。コミュニティ活動や、エンターテインメント、ビジネスのために人々がバーチャルに集うある種の文化的交流の場として活用が模索されています。

オンラインゲーム人口の増加に伴い、ゲーム空間の中にコンサートホールがあり、好きなアーチストのライブに、アバターを介して、これまたアバターの友人と一緒に楽しむなんてことは、当たり前のことになっていくでしょう。

ゲームの空間が人々の交流の場になっていくならば、そこでは新しい出会いが生まれ、意気投合して、時には恋愛関係まで発展していくことだってあるでしょう。未来の社会において、アバター同士のカップルが生まれ、結ばれる「アバター婚」が盛んになるかもしれません。

「アバター婚」では、共通の趣味、価値観、人生の目的など、相手との精神的な相性が最も大切にされます。なにしろ、アバターの外見は自由に編集可能ですし、多くの場合はリアルの場で会うこともありません。容姿、ジェンダー、年齢、国籍、生まれなど、リアルの結婚ではともすれば障壁となった事柄はさして重要ではないのです。

その意味では、「アバター婚」は、相性さえ合えばどんな人同士でも、既存の障壁に妨げられることなく結ばれる、結婚のバリアフリー化と言えるかもれません。

日本において、2030年の生涯未婚率は男性で約29%、女性で約22%に達すると推計されています。(※2) 未婚がメジャーになっていく中、単身者の孤独対策は大きな社会課題となっていくでしょう。

オンライン空間の「アバター婚」は、既存の概念を越えて、単身者同士を結ぶ新しい社会の絆になるのかもしれません。

 

※1https://www.wundermanthompson.com/insight/new-gaming-frontiers

※2「日本の世帯数の将来推計(全国推計)-2018(平成 30)年推計- 」https://www8.cao.go.jp/kourei/kihon-kentoukai/k_1/pdf/s5-2.pdf

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