未来の職業「テレイグワーカー」
未来の一日「時差活テレイグライフ」

こんなことを思ったことはありませんか?

海外で働いてみたいけど、日本の生活は捨てられない。

家族もいるし、ペットもいるし、日本の食事が好きで、生活様式もあっている。

日本で家族と暮らし、美味しい和食を食べて、温かいお風呂に入る生活をしながら、ニューヨークの会社で働くことはできないのだろうか。

こんなこと思う人はまだ2021年にはいないかもしれないですね。

そう、これはまだ人々の中で「顕在化していない夢」なのかもしれません。

ですが、未来には叶いそうなのです。

遠隔地にある人型ロボットを、まるで自身の分身のように操る技術「テレイグジスタンス」の研究が進んでいます。

テレイグジスタンス(Telexistence:遠隔存在)とは、センサ、バーチャルリアリティ(VR)、ロボティクス、AI、ネット ワークなどの技術を統合し、感覚や身体機能をロボットと同期させ(義体化)、遠隔地にあるものがあたかも近くにあるように感じながら人間がリアルタイムに作業を行なうことを指します。

具体的には、自分の分身となる「人型ロボット」を遠隔地に置き、コックピットに入った操縦者が手や首を動かすと、ロボットが同じ動きを再現し、カメラやマイクを通して視覚や聴覚の情報が操縦者に共有されるという仕組みです。

自分の分身は、コンピューターが生み出した情報空間だけでなく、情報空間介して実空間に存在することが可能になるのです。

早い話、地球上のどこにいても、臨場感を味わいながら、別の場所で作業・行動ができるというわけです。

これにより、高所や危険物の撤去は、安全な場所にいながら作業することができ、医師がいない過疎地にロボットを置けば、例えば都市部にいる一流医師の医療を受けられるようになります。また、国外の労働者も遠隔から就労できるため、移民問題を解消できます。

この技術は少しずつ実用化され、2018年、JTBとKDDIが、小笠原村の観光局やTelexistence社、竹芝エリアマネジメントと協力して開催した「小笠原村の観光資源の遠隔体験イベントでは、一般の方がテレイグジスタンスを用いた「遠隔旅行」を楽しみました。

破壊的イノベーションの創出を目指して日本政府が進める「ムーンショット型研究開発制度」では、「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」という目標が掲げられています。

将来的には、例えば、「東京の自宅にいながら、午前中は四国の道後温泉で朝風呂入り、お昼になったらハワイで夕陽を背にヨガをして、夕方からロンドンの会社でイギリス時間の朝から働く」というように、時差を考慮しながら、時間帯ごとに場所を変えて楽しむ、夢の「時差活テレイグライフ」も実現できそうです。

 

(参考資料)

※1 日本工学アカデミー EAJ 報告書新たな働き方、生き方、社会の在り方の実現 に向けた提言 テレイグジスタンスの社会実装へhttps://www.eaj.or.jp/app-def/S-102/eaj/wp-content/uploads/2018/06/Project-houkoku-20180419.pdf

※2 東京大学 舘 暲研究室 TACHILAB HP  https://tachilab.org/jp/about/telexistence.html

※3 事業構想PROJECT DESIGN ONLINE ロボット、VRの世界的権威が語る 遠隔技術で何が実現するのか舘 暲(東京大学 名誉教授)2020年8月号https://www.projectdesign.jp/202008/clean-and-safety/008121.php

※4 WIRED 2015.01.19 MON 16:21  https://wired.jp/2015/01/19/next-world-06/

※5 TIME&SPACE by KDDI 2018.10.17  https//time-space.kddi.com/au-kddi/20181017/2468

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